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未経験からはじめるドメイン知識獲得への道 泥臭い努力のすゝめ

こんにちは、e-dash編集部です。

「e-dash」のクラウドサービス開発を手がけるプロダクト開発部では、12月1日からクリスマスの25日に向けて毎日1本ずつブログ記事を投稿するe-dash Advent Calendar 2024を実施しています。

本日ご紹介するのは、Advent Calender 20日目の、yashiさんによる記事です。

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こんにちは、e-dashでプロダクトマネージャーを務めるyashiです。

今回は、ESG(※1)や脱炭素という分野に未経験で入社した私が、どのようにドメイン知識をキャッチアップしたかを紹介したいと思います。

プロダクトマネージャーの方やESG業界で働く方だけではなく、あらゆる職種や業界で参考になるように努めて書きましたので、ぜひご一読いただければ嬉しいです。

※1   ESG:Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字を取ったもの


キャッチアッププロセスの全体像

全体像は以下の通りです。

まずは、短期間に集中して全体像を頭に入れつつ、業務を通して深い理解を獲得していく方針です。

また、業務からの知識だと特定の分野に知識が偏ってしまうことがあるため、他の分野の知識が得られる機会があれば積極的に参加することで、知識の底上げを目指しました。

基礎から満遍なく積み上げていくような方法もありますが、ビジネスの場ではできるだけ早く結果を出すことが求められるため、業務をしながら必要なドメイン知識を理解する方が合っているケースが多いでしょう。

1. 全体の地図を頭に入れる

入社した直後は、一般的に業務に余裕があるケースが多いかと思います。このタイミングは気疲れが多い時期かもしれませんが、集中して知識を仕入れるチャンスでもあります。

このタイミングで全体の地図が頭にあると、その後の業務から得られる理解がより深くなるため、複利のように仕事が楽になると思います。

私は以下の3つのSTEPで全体の地図を頭に入れるようにしました。

STEP1:社内の研修資料を読む

e-dashには、社内にESGや脱炭素の専門家が在籍しています。その専門家たちが、ドメイン未経験の社員に向けた研修資料や動画を作成してくれているので、その内容を一通り確認しました。

自社内で、ドメインの中でも特にどの分野に力をいれているのかを把握し、STEP2の足がかりを作ることができます。

STEP2:関連する書籍を数冊読む

STEP1で獲得した知識をもとに、ドメインに関連する書籍を数冊読みました。

狙いは2つあります。

1つ目は、社内の研修資料や複数の書籍で共通して出てくるような概念を把握し、その重要度を把握することです。

2つ目は、ドメイン知識を解説する切り口を複数知ることで、ドメインがどのように体系化されるのかを立体的に把握することができ、分野間の関連性をより深く把握することです。

STEP3:学んだことを体系化する

学んだことをカテゴリやキーワードレベルでざっくりと体系化していきました。おすすめはマインドマップです。

今後、業務で様々なキーワードを聞くことになりますが、そのキーワードがドメイン全体のどこにあたる概念なのかが分かるようになり、業務を通して体系的に理解を深めることができます。

また、書籍を読む際はぜひ生成AIを片手に読むことをお勧めします。難解なドメインだと前提となる知識すらわからないケースもあるので、生成AIを駆使して知識を補完しながら読むことで、ストレスなく読み進めることができます。

特に、最近リリースされたChatGPT searchを使うと、根拠となるサイトも合わせて提示してくれるため、ハルシネーションのチェックも楽になります。

2. 業務を通して深い理解を得る

業務では、ドメインのうち特定の分野を担当することになるかと思います。
業務を通してドメインへの理解を深める際に、私は3つのPOINTを意識しています。

POINT1:お客様を深く理解する

我々がドメイン知識の理解を深める目的は、あくまでお客様へ価値を届けるためです。したがって、お客様の業務や課題を深く理解することが最も重要です。

ユーザーインタビューや実際の業務プロセスを体験することで、これまで学んだ知識がどのように実務に落とし込まれているかを把握することができます。

POINT2:原典や一次情報をあたる

実務への理解が進むと、ドメインの細かい知識まで正確な理解を求められることがあります。

たとえば、e-dashが扱うドメインにおいて「GHGプロトコル」という温室効果ガスの排出量を測定、報告、管理するためのデファクトスタンダード(事実上の標準)があります。

GHGプロトコルでは、エネルギー種別(例:電気、ガス)ごとに細かい計算式を使って排出量を計算します。

そのような計算式について、誰かの手が加わった二次情報を利用するのは危険であるため、必ず原典をあたるようにします。

特に、何かの規制やガイドラインに従う必要のあるドメインを扱われる方は、原典をあたることを意識してください。

POINT3:ドメインエキスパートのレビューを受ける

ここまでで、ドメインの知識や理解を深めているとはいえ、自信過剰になるのは要注意です。

同じ文章を読んでいたとしても、そのドメインの慣習や解釈の違いから、自分が思っていた理解が誤っているケースが発生することもあります。

必ず、その道のプロにレビューをもらうことで、そのドメインの暗黙知への理解を深めることができます。

私は、前述した専門家チームのメンバーに頻繁にレビューやアドバイスをもらうようにしています。

3. 他分野の知識を得られる機会に参加する

業務を通したドメインの理解は、深い知識を得られるメリットがある一方で、同じドメイン内でも知識のある分野が偏ってしまいがちというデメリットもあります。

そのデメリットの解消のため、他分野で行われる勉強会などがあれば積極的に参加することで、ドメイン知識を満遍なく底上げすることができます。

e-dashでは、例として以下のような機会があります。

専門家チームによる勉強会

専門家チームのメンバーのバックグラウンドも様々であり、普段の業務とは少し離れた面白い知識を解説してくれる勉強会もあります。

たとえば、直近の勉強会では「発電所から自宅までどのように電気が運ばれてくるのか」を、中学や高校で習うアンペアなどの知識も使いながら解説する面白い勉強会が開催されました。

社内制度で無料受検できる「GX検定」

e-dashには、脱炭素に関わる知識を幅広く学べるGX検定を無料で受検できる社内制度があります。

普段の業務では直接扱わないような知識を得られる機会でもあるため、社内のあらゆる職種の方が積極的に受講しており、私個人はもとより会社全体の知識の底上げにつながっています。

おわりに

いざ、記事を書き終えてみると、割と当たり前のことが多いなと思いました。

記事の内容としては突拍子もない裏技がなく拍子抜けだったかもしれませんが、裏を返すとドメイン知識の獲得は泥臭い努力が必要なんだと思います。

「ドメイン知識の獲得に裏道なし」の気持ちで、難しいドメインにも恐れず立ち向かっていきましょう!

最後まで、お読みいただきありがとうございました。
引き続き、e-dash advent calendar 2024をお楽しみ頂けましたら幸いです。

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